【お正月返上はNG?】現役医大生が教える
共通テスト直前期の「勝てる」過ごし方と合格ルーティン
現役医学部生が実践した「勝負の年末年始」の過ごし方を徹底解説
目次
はじめに:12月後半、焦りを感じ始めたあなたへ
12月も後半に差し掛かり、カレンダーをめくるたびに共通テストの足音が大きく聞こえてくる時期になりました。「まだ過去問が解き終わっていない」「模試の判定が不安」……そんな焦りに支配されていませんか?
しかし、この直前期に最も大切なのは、がむしゃらに勉強時間を増やすことではありません。「いかに本番にピークを合わせ、持てる実力を120%発揮する仕組みを作るか」です。
本記事では、現役医学部生が実践していた「勝負の年末年始」の過ごし方を徹底解説します。この記事を読み終えたとき、あなたの焦りは「合格への確信」に変わっているはずです。
第1章:お正月返上はNG?「自分を許す」ことが合格への近道
多くの受験生が陥るのが、「1月1日は15時間勉強するぞ!」という極端な完璧主義です。しかし、これは非常に危険な考え方です。
完璧主義が招く「本番の失速」
人間は機械ではありません。周囲がお正月ムードの中、自分だけを極限まで追い込むと、どこかでプツンと糸が切れてしまいます。医学部入試のような長丁場を勝ち抜くには、「適度なブレーキ」が必要です。
「0時間」にしないことが最優先
1日中ダラダラ過ごすのはNGですが、家族との食事や初詣の1〜2時間を「必要不可欠なリフレッシュ」としてスケジュールに組み込むのは大正解です。
「自分を許すルール」を事前に作る
「元旦の午前中は家族と過ごすが、午後1時からは自習室へ行く」というように、あらかじめ「やっていいこと」と「やらないこと」の境界線を決めておくことで、罪悪感なく勉強に集中できます。
第2章:勉強の「強制力」を仕組み化する(環境の構築)
直前期、家で一人で勉強するのは非常にリスクが高いです。誘惑に負けないための「強制的な環境」を自ら作りましょう。
2つの場所を使い分ける「2拠点学習法」
おすすめは、1日の中で勉強場所を2箇所用意することです。
| 時間帯 | 推奨場所 | 学習内容 |
|---|---|---|
| 午前〜夕方 | 塾の自習室・図書館 | 本番と同じ時間割での実戦演習(パック模試) |
| 夜 | カフェ・自宅 | 暗記物の確認、間違えた問題の分析、低ストレス学習 |
場所を変えることで脳がリセットされ、集中力が持続します。「移動時間」を単なる移動にせず、単語帳や「情報Ⅰ」の用語確認に充てれば、1日の密度は格段に上がります。
第3章:本番の脳を作る「3時間前の起床」と「超実戦型シミュレーション」
共通テストは、知識の量だけでなく「コンディションの作り方」で勝負が決まります。ここでは、脳科学的な根拠に基づいた直前期のルーティンを深掘りします。
3-1. 脳を「共通テスト仕様」に書き換える起床法
人間の脳が本来のパフォーマンスを発揮し始めるのは、起床から約3時間後。これは脳内の温度が上昇し、神経伝達物質が活発に動き出すまでに必要な時間です。
阪大医学部生の「朝の儀式」
冬の朝は寒く、意志の力だけでは起きられません。私たちは「光」と「体温」を強制的に利用していました。起きた瞬間にカーテンを開けて太陽光を浴び(セロトニン分泌)、10分間の散歩や熱めのシャワーで深部体温を上げます。これで「朝から英語の長文を読める脳」が完成します。
3-2. 予想パックは「恐怖心」を殺すためのリハーサル
直前期、多くの受験生が予想問題パックを解きますが、ただ解くだけでは不十分です。私たちは「本番を1ミリも違わず再現すること」にこだわりました。
- 休み時間の過ごし方まで設計する: 共通テストは休み時間が異常に長いです。ここで友達と答え合わせをしたり、スマホを見たりするのは最悪の選択です。「次の科目の参考書を10ページだけ見直す」「この耳栓をして5分間だけ目を閉じる」といった休み時間のマニュアルをパック演習中に作っておきましょう。
- 「戦術的食事」の確立: 昼食に何を食べるか。おにぎり2個か、バナナか。どのタイミングでブドウ糖を補給すれば午後の国語で眠くならないか。パック演習は、この「エネルギー管理」の実験場でもあります。
3-3. 予期せぬトラブルへの「プランB」
本番では、隣の人の貧乏ゆすりがうるさかったり、リスニングのICプレーヤーが故障したりすることがあります。
あえて悪い環境で解く
たまには少し騒がしいカフェで予想問題を解いてみてください。「どんな環境でも自分の世界に入れる」という自信が、本番のメンタルを鉄壁にします。
第4章:年末の「知識の大掃除」と「戦略的撤退」の決断
新しい問題を解かなければ不安だ、という心理はわかります。しかし、直前期に最も得点に結びつくのは「新領域の開拓」ではなく「既知領域の完全防衛」です。
4-1. 復習(アクティブリコール)による記憶の結晶化
これまで使い込んできたノートや模試、参考書。これらはあなたの「戦いの履歴」です。
パラパラ復習の極意
単に眺めるのではなく、「このページの問題、解き方のポイントは何だっけ?」と自分に問いかけながらめくってください。脳に負荷をかけて「思い出す」作業を繰り返すことで、曖昧だった知識が「本番で瞬時に使える武器」へと結晶化します。
「間違えた理由」のパターン化
知識不足なのか、計算ミスなのか、時間配分のミスなのか。過去のミスを「掃除」し、同じ間違いを絶対にしないと誓う。これが、医学部合格者が共通して行っている「負けない勉強」です。
4-2. 「やらないことリスト」で脳のメモリを解放する
不安は「選択肢が多い」から生まれます。直前期の時間は有限です。
戦略的撤退の勇気
「今からこの苦手分野を完璧にするには30時間かかるが、得点は5点しか増えない」と判断したら、思い切って捨てる勇気も必要です。その代わりに、「あと数時間やれば確実に10点伸びる分野」にリソースを全投下してください。
目次の活用: 教科書の目次を見て、各章の内容を30秒で説明できるかチェックしましょう。説明できない章は、あなたの「弱点」です。ここだけに集中して「やるべきことリスト」を再構築してください。
4-3. メンタルの大掃除:自己否定を捨てる
「こんなにできていない」と数え上げるのは今日で終わりにしましょう。自分を責めるエネルギーはすべて「次の1問」を解くエネルギーに変えてください。
第5章:【科目別】医学部合格者が実践した「土壇場の得点上乗せ」ハック
残り期間で20点、30点を積み上げるための、具体的かつ実戦的なテクニックを網羅しました。
5-1. 【英語】リーディングの「視野」とリスニングの「予測」
リーディング
速読の鍵は「視点の移動距離」を減らすこと。一語一語追うのではなく、段落単位で「筆者の主張」をスキャンする練習を。また、設問を先に読み、必要な情報だけを探しに行く「狩猟型」の読み方を徹底してください。
リスニング
音声が流れる前に、選択肢から「何が問われるか」を120%予測する。放送が始まったら、聞きながらメモを取るのではなく、聞き終わった瞬間にマークする。この「予測と集中」のサイクルが、満点への最短距離です。
5-2. 【数学】「計算の自動化」と「戦略的スキップ」
計算ミスを物理的に防ぐ
計算スペースは「左上から右下へ」整然と使う。ぐちゃぐちゃな計算はミスの温床です。また、2次関数やベクトルの典型的な計算は、脳を使わずに手が勝手に動くレベルまで反復してください。
30秒ルール
解き方が浮かばない問題に30秒以上かけない。すぐに次の問題へ飛び、最後に戻ってくる。数学の失点は、難問に時間を奪われて「解けるはずの基本問題」に辿り着けないことから始まります。
5-3. 【国語】80分間の「時間配分マネジメント」
新傾向への対応
複数の文章や資料を組み合わせる問題は、情報の「共通点」と「相違点」を見つけるゲームです。
漢文・古文からの速攻
確実かつ短時間で満点が狙える漢文・古文を20〜25分で終わらせ、残り時間を現代文に全投下する。この「時間貯金」が、難解な評論での焦りを消してくれます。
5-4. 【情報Ⅰ】新課程の「穴場」を狙い撃つ
アルゴリズムとプログラミング
プログラムのトレース(一行ずつ実行結果を追う)は、慣れれば確実に正解できます。また、データの表現(2進数など)や論理回路は、パズルの解法を覚えるだけ。直前期の3時間で5点〜10点の上乗せが最も簡単な科目です。
5-5. 【理科・社会】「図説」と「統計」の最終確認
ビジュアルで覚える
文章だけでなく、資料集の図やグラフ、地図を隅々まで眺めてください。共通テストは「初見の資料を読み解く力」を問います。知識の背景にある視覚情報が、本番で思考を助けてくれます。
第6章:メンタル管理:完璧主義を捨て「今のベスト」を尽くす
もし1日、計画通りに進まなくても自分を責めないでください。「休んでしまった」ことを悔やむ時間は、最も無駄な時間です。「これは本番前に必要な休息だった。よし、今この瞬間から取り返そう」。この切り替えの速さが、合格者と不合格者を分ける境界線です。
まとめ:残り数週間、あなたは「合格」へ近づき続けている
ここまで、共通テスト直前期の過ごし方について多角的に解説してきました。最後に、最も大切なことをお伝えします。
「完璧」ではなく「継続」を目指す
これから本番までの期間、もしかすると計画通りにいかない日があるかもしれません。お正月に少し休みすぎてしまうこともあるでしょう。しかし、そこで「自分はダメだ」と立ち止まってしまうのが一番の損失です。
合格する受験生とそうでない受験生の差は、能力の差ではなく「崩れたリズムをその日のうちに立て直せるか」の差です。たとえ1時間しか勉強できなかったとしても、その1時間を「合格への一歩」として積み上げられた自分を認めてあげてください。
本番当日のあなたを支えるのは「今の積み重ね」
共通テスト本番、極度の緊張に襲われたとき、あなたを支えるのは「これだけやった」という過去の自分の姿です。「知識の大掃除(振り返り)」を徹底し、ボロボロになった参考書を眺めてください。その一冊一冊が、あなたが戦ってきた証であり、合格への通行証です。
最後に
今日から始まる「最後の数日間」は、あなたの人生において最も濃密で、最も成長できる時間になります。お正月をどう過ごすか、朝何時に起きるか、どの科目を優先するか。今日ここで決めたことを一つずつ実行していけば、必ず道は開けます。
「0にしないこと」「自分を信じること」「今この瞬間から始めること」
この3つを胸に、最高の状態で本番を迎えてください。私たちは、あなたが持てる力をすべて出し切り、志望校への切符を掴み取ることを心から応援しています。
最後まで走り抜けましょう!


