プログラミングをやってみたい。AIやデータ分析が面白そう。そう思って情報系学部を調べ始めた高2生に、まず知ってほしいことがあります。大学の情報系で学ぶ内容と、一般選抜で点数になる科目は完全には一致しません。
とくに情報理工・情報科学と文理融合型の学部では、受験方法の幅が違います。この記事は関西の情報系比較を親に持つ学習実行編です。勉強時間を増やす前に、数学・英語・情報のどこを何の目的で学ぶか、2028年度の志望方式が未発表の段階でどう安全に備えるかを整理します。
情報確認日:2026年9月21日
※入試制度・日程・配点は大学公式の2027年度資料を優先して確認しています。参考書名、完成基準、月別計画は大学公式の指定ではなく、公開情報と過去問対策をもとにした編集部の学習提案です。
目次
結論|この記事で分かること
結論:最初に確認すべきなのは志望学部の出願方式です。数学・英語・理科を重視する工学・情報理工系の一般選抜と、選択科目に幅がある文理融合型の方式では高2の準備が変わります。情報Iを楽しみながら学ぶことは大切ですが、それだけで英語や数学の積み上げを代替できません。
2028年度入学者向けの入試条件は、未発表のものを確定情報として扱いません。出願科目・配点は該当年度の募集要項で照合してください。
結論|情報系志望でも「情報だけ」では受験対策にならない
数学は基本問題の理由説明と複数分野の接続、英語は専門的な題材にも対応できる読解の基礎、情報はアルゴリズムやデータ表現を言葉と簡単な処理で説明することを当面の目標にします。勉強時間が限られるなら、入試科目としての優先度と大学での学びへの準備を分けて考えます。
「文系でも受けられるか」と「入学後に数学を学ぶか」は別問題です。入試で数学を使わない方式があっても、大学で統計・プログラミングを使う場合はあります。高2ではまず四年間の内容を比較し、そのあとで方式ごとの必要科目を照合する順が合理的です。
第一段階|情報理工と社会情報で求める学びを区別する
立命館大学情報理工学部は情報システム・ネットワーク・知能情報などの広い技術領域を示しています。一方、関西大学総合情報学部はコンピューティングとメディア、社会情報システムを横断する学びを紹介しています。同志社大学文化情報学部はデータサイエンスを文化研究に結びつける視点を持ちます。
同じ「AI」という言葉が登場しても、機械学習のアルゴリズムを設計する、学習のためのデータを調査する、社会での利用を検討するなど具体的な課題は異なります。公式の授業科目名を調べ、三年間または四年間でどのような必修科目を履修するか確認しましょう。一般選抜の配点も学部・方式ごとに独立して調べてください。
数学|公式の暗記から、考え方を説明できる段階へ
情報系の数学準備では、二次関数、場合の数と確率、指数・対数、三角関数、数列、ベクトルなど既習範囲を、単元間の関係が分かるように学び直します。例えば確率と数え上げを区別することは、単に入試得点のためではなく、情報の分野で不確実なデータを扱う考え方にもつながります。
一冊を何周したかではなく、初見に近い基礎問題を見て解法を立てられるかで完成度を測定します。公式の適用条件を言葉で説明し、類題では条件が変わった理由を記述してください。途中式が止まった問題には「計算ミス」「定義の理解不足」「解法選択の失敗」のラベルをつけて復習すると、次週の学習内容を絞れます。
英語|技術の知識より先に長文を読める構文力
情報分野の英語には論理的な説明や抽象的な概念が多く登場しますが、高2の段階で専門語を大量に暗記する必要はありません。まずは高校英語の語彙、文法、英文解釈、短めの長文読解を順に定着させる方が、幅広い志望方式に対応できます。
英文を読んだら「誰が何をする」「どの節が何を修飾する」「筆者の主張はどこか」を説明する練習をしましょう。正解した問題でも根拠のない推測なら復習対象です。週末には初見の文章を時間を計って読み、内容理解と読了速度を分けて記録すると進み方を確認できます。
情報I|プログラム・データ・ネットワークの基本を使ってみる
共通テストでの情報Iの扱いは志望大学の要項で確認してください。学習内容としては情報の表現、情報セキュリティ、プログラミング的思考、データ活用などの基本を扱います。情報系への興味を深めるなら、表計算で模擬データの平均と分布を図にしたり、短いアルゴリズムを読み書きしたりするのがよい練習になります。
ポイントはコードを長く書くことではなく、入力と出力、処理の順番、繰り返し、条件分岐が何を意味するか説明できることです。答えを得られても処理の意味を理解できないなら、手作業で少量のデータをたどってみてください。特定の言語を使う経験が入試の加点になるかは方式別に異なるので、趣味・探究と一般選抜の学力対策は区別します。
秋の週次計画|英語と数学を中心に情報の小課題を添える
例えば平日90分を確保できる生徒なら、月水金は数学45分と英語45分、火木は英語45分と学校課題・弱点補習45分など、基本科目を毎週続ける形にします。週末にまとまった時間を取れる場合、数学の初見問題演習と情報の小課題を入れます。この配分はあくまでモデルで、必要科目と現状によって変えてください。
数学が苦手なら週あたりの解き直し回数を増やし、英語が課題なら毎日短時間でも英文を読む習慣を優先します。単純な一日の勉強時間にとらわれず、二週間ごとに「未知の英文が読めるようになったか」「解法を思いつける単元が増えたか」を測ることが重要です。
課外活動の選び方|制作物は学びを知る入口として使う
情報系を志すとアプリ制作や競技プログラミングに興味が湧くかもしれません。それ自体は意欲的な活動ですが、一般選抜の勉強に必要な時間を圧迫してまで全員が取り組む必須課題ではありません。大学の総合型選抜や推薦方式で活動実績を評価するかは、募集要項に書かれた条件が基準です。
取り組むなら「何を解決したかったか」「うまくいかなかったことは何か」「改善後にどう検証したか」をメモしましょう。情報分野の面白さは、試行錯誤を通じて仮説を立てることにあります。作ったものの華やかさより、学びを理解し説明する力を育ててください。
志望校別に完成度を確かめる|高3春までの準備
数学を重視する方式を候補にしている場合、学校の進度を追いつつ、既習範囲の典型問題を初見条件でも解ける状態を目指します。文理融合型を候補にする場合も、英語と数学の基礎を捨てず、出願科目の選択肢を確認してから重点を調整します。
学習計画には「公式要項に基づく条件」と「編集部が提案する学習ペース」を区別して書いてください。2028年度の入試内容が発表されたら、前年の仮置きを更新します。面談を利用するなら、直近の模試と現在の教材、志望学部三候補を並べ、科目別の優先順位を具体的に相談すると有意義です。
実践ワーク|公式サイトを読む前に整理する比較シート
以下の五項目を「大学公式で分かった事実」「自分が重視する理由」「まだ不明なこと」の三列に分けて記録しましょう。
確認点1
数学の苦手を単元の理解と計算速度に分ける
確認点2
英文構造を説明できる文章を増やす
確認点3
情報Iのアルゴリズムを紙で追えるようにする
確認点4
受験科目としての理科の指定範囲を確認する
確認点5
大学の情報研究と受験勉強を混ぜずに両立する
具体例|違う状況の高校生ならどう判断する?
ケースA|関心は明確だが、科目の準備に差がある場合。Pythonなどで簡単なプログラムが書けるが数学の得点が低い高2生。コードを作る楽しさは学びの動機として残し、平日の主力を数学の基礎問題に戻す。情報Iや制作活動に追加時間を投じる前に、志望方式で点になる科目と学校の単元ごとの弱点を確認します。
ケースB|複数の学部・方式で迷っている場合。英語が得意で文理融合系の文化情報や総合情報に興味がある高2生。統計や社会情報の授業を調べつつ、受験方式でどこまで数学が求められるか確認する。数学の授業から離れず、大学でデータを読むためのグラフ・確率・論理の基礎も継続します。
今から8週間|毎週やることが決まる実行チェックリスト
| 時期 | やること |
|---|---|
| 第1週 | 情報系の志望分野を工学・データ・社会情報に整理 |
| 第2週 | 2027年度参考要項で必要科目の候補を書き出す |
| 第3週 | 数学の既習範囲を単元別テストで診断 |
| 第4週 | 英語の読解誤りを語彙・構文・論理に分解 |
| 第5週 | 情報Iの条件分岐と繰り返しを手で追って確認 |
| 第6週 | 数学の類題で自立解答の再現性を測る |
| 第7週 | 情報の小課題で処理を説明する練習をする |
| 第8週 | 2028年度の更新予定と高3春までの目標をまとめる |
よくある思い込み|比較と勉強を止める原因を見直す
- 制作経験が多ければ一般選抜の数学や英語の準備は不要と考えること。プログラミングは探究になり得るが、選抜で評価されるかは方式次第
- 「情報Iを学校で選んでいるから情報系に有利」と短絡すること。数学・英語・配点も含めて総合的に判断する
- SNSの断片的な体験談だけで学部や方式を決めること
ポイント|数学・英語・情報の役割を分ける
- 情報系でも情報Iだけでは受験対策にならない
- 工学・情報理工系は数学・英語・理科、文理融合型は選択科目の幅を確認する
- 数学は公式暗記より、初見問題で方針を立てられるかを測る
- 英語は専門語より構文力と長文読解の基礎を固める
- 情報Iは処理の意味を説明できることを目標にする
- 制作活動は探究として残しつつ、一般選抜の学力対策と区別する
あわせて読みたい記事
情報系の学習実行編を読んだら、比較記事と親記事をあわせて読むと全体像がつかめます。
現論会で相談するときに持ってくるとよいもの
現論会で相談する場合も、次のものを持ってくると、情報系の科目設計を具体化しやすくなります。
相談では、方式ごとの必要科目と、数学・英語・情報の優先順位を整理します。
よくある質問
情報Iが得意なら数学は後回しでよいですか?
大学・方式次第ですが、情報理工系など数学を課す受験先では後回しは危険です。必要科目と弱点を見て判断してください。
プログラミング未経験でも情報系を志望できますか?
はい。大学が求める出願条件を確認し、数学・英語など学習の基盤を整えましょう。
数学IIIの先取りは必須ですか?
方式や学校進度によります。必要な範囲を公式要項で確認し、既習範囲の理解を犠牲にしないことが重要です。
高2秋の情報系対策でおすすめの確認方法は?
公式カリキュラムと募集要項、学校の進度表を並べ、模試の分野別正答率から今週の課題を決めましょう。
アプリ制作の実績は加点になりますか?
総合型選抜・推薦で評価されるかは募集要項の条件次第です。一般選抜では学力対策を優先してください。
まとめ|次の一歩
情報系志望の高2は、情報Iだけに寄せず、数学・英語の積み上げを軸にすることが大切です。工学・情報理工系は数学・英語・理科を重視し、文理融合型は選択科目の幅が広いため、まず出願方式を確認してから配分を決めます。数学は初見問題で方針を立てられるか、英語は構文で長文を説明できるか、情報は処理の意味を言葉にできるかで測りましょう。制作活動は探究として残しつつ、一般選抜の学力対策と区別してください。
- 情報系でも情報Iだけでは受験対策にならない
- まず出願方式を確認し、必要科目を洗い出す
- 数学は初見問題の再現性で測る
- 英語は構文力と長文読解の基礎を固める
- 情報Iは処理の意味を説明できることを目標にする
- 制作活動と一般選抜の学力対策を区別する





