奈良県立医科大学医学部医学科【2027】
前期・後期の傾向と対策
奈良県立医科大学医学部医学科は、「前期と後期の両方を受験する大学」と考えて対策する大学です。2027年度は前期22名、後期53名を募集する予定で、後期の募集人員が大きいのが特徴です。前期と後期では最終合格の得点設計が大きく異なるため、同じ大学でも試験の受け方が前期と後期で別物になります。
前期は大学入学共通テスト900点に小論文100点を加えた1000点が中心で、学科の個別試験は実施されません。一方、後期は共通テストを最終的に300点へ圧縮し、数学225点・理科450点・英語225点の個別学力検査900点を課す設計です。前期は共通テスト重視、後期は英数理の記述重視と、求められる力が変わります。
この記事は、2026年9月29日時点で公表されている奈良県立医科大学の入学者選抜要項と、これまでの公式入試結果をもとに、前期・後期それぞれの配点、第1段階選抜、小論文、面接、現役生と既卒生のデータを整理します。
情報確認日:2026年9月21日
※入試制度・日程・配点は大学公式の2027年度資料を優先して確認しています。参考書名、完成基準、月別計画は大学公式の指定ではなく、公開情報と過去問対策をもとにした編集部の学習提案です。
目次
結論|奈良医大は前期と後期で対策が別物
奈良県立医科大学医学部医学科の2027年度一般選抜は、前期22名、後期53名です。最も重要なポイントは、前期と後期で選抜構造が逆になることです。前期は共通テスト900点に小論文100点を加えた1000点が中心で、学科の個別学力検査は実施されません。面接の配点は小さく、人物面や適性を確認するために実施されるため、共通テストと小論文の点数が合否を大きく左右します。
後期は一変します。第1段階選抜では共通テストを使いますが、最終合格の判定では共通テスト900点を3分の1の300点に圧縮し、個別学力検査900点(数学225点・理科450点・英語225点)を加えて、合計1200点で判定します。理科が個別学力検査の半分を占めるため、後期は「理科を含む英数理の完成度」が合否を決めます。
- 前期22名、後期53名(後期の募集人員が大きい)
- 前期の第1段階は共通テスト換算で約730/900点、約81%以上が基準
- 前期の最終得点は共通テスト900点+小論文100点=1000点
- 前期は個別の数学・理科・英語を実施しない
- 後期の最終得点は共通テスト300点+個別900点=1200点
- 後期の個別は数学225・理科450・英語225。面接は点数化せず、適性が不十分な場合は不合格になり得る
前期・後期の配点早見表
前期と後期を並べると、対策の方向性の違いが一目で分かります。
| 日程 | 共通テスト | 個別等・最終合計 |
|---|---|---|
| 前期 | 900点 | 小論文100点 → 合計1000点 |
| 後期 | 300点(900点を圧縮) | 数学225・理科450・英語225=900点 → 合計1200点 |
- 前期の第1段階選抜は共通テスト換算 約730/900点、約81%以上が基準
- 前期の最終得点は共通テスト900点+小論文100点=1000点
- 前期は個別の数学・理科・英語を実施しない
- 後期の最終得点は共通テスト300点+個別900点=1200点
- 後期の個別は数学225・理科450・英語225
- 面接は点数化されず、適性が不十分な場合は不合格になり得る
募集人員|前期22名・後期53名
奈良県立医科大学医学部医学科は、学校推薦型選抜として救急医師確保枠15名、地域枠20名、一般選抜として前期22名、後期53名を予定しています。推薦枠の定員は国の暫定定員の通知で変更される場合がありますが、一般選抜の前期22名・後期53名という構造は、2026年7月に公表された入学者選抜要項に明記されています。
- 一般前期の試験日は2027年2月25日・26日の予定
- 後期の試験日は3月12日・13日の予定
- 前期で合格者が募集人員に満たない場合、その不足数が後期に加算されることがある
- 医学部後期は53名募集という規模が大きく、出願先を考えるうえで重要
2026年度の後期は53名募集に対して1085名が志願し、志望倍率は20.5倍でした。最終的な実質倍率は、第1段階選抜によって199名まで絞られたあと、合格者58名という結果になっています。志願者数と実質合格者の差が大きく、この点も後期の難しさを表しています。
前期|共通テスト900点+小論文100点
2027年度前期は、第1段階選抜で共通テストを使い、奈良医大の独自換算でおおむね730点、得点率にして約81%以上を合格の基準として明記しています。この基準を満たし、募集人員22名の15倍である330名を超えた場合、換算得点上位330名が第1段階に合格します。
前期は二次試験に相当する共通テストの再負担が小さく、共通テストの結果がほぼそのまま合否を左右します。数学や理科が得意でも共通テストで伸びなければ厳しく、逆に共通テストの得点を安定させた受験生が有利です。
共通テスト900点の内訳は、国語100点、地理歴史・公民50点、数学200点、理科300点、外国語200点、情報50点です。理科は2科目で300点、数学200点と合わせると理系主要科目の比重が大きくなりますが、国語100点・社会50点・情報50点の合計200点も無視できません。医学部志望だからといって国語・社会・情報を捨てると、81%前後の基準を超えにくくなります。
前期の第1段階選抜|共通テスト換算約730点・約81%が基準
前期の第1段階選抜では、奈良医大独自の換算で約730点(得点率約81%)以上が目安として示されています。この基準を満たした者の中から、募集人員の15倍にあたる330名を上限として第1段階合格者を決める仕組みです。
つまり、81%前後の得点率を安定して超えられるかどうかが、前期の最初の関門になります。共通テストの換算では、理科300点、数学200点、外国語200点と理系主要科目の配点が大きい一方、同じ得点率でも科目によって小数点の換算値が変わります。自分の共通テストの自己採点が、奈良医大の換算で何点になるかを確認しておくことが重要です。
前期の小論文100点|医療分野に限定した課題文
前期の個別試験は、2月25日に120分の小論文、2月26日に面接が行われます。小論文は100点です。大学は、医療分野に限定した分野から和文の課題文を2題提示し、論理的思考力、着想力・構想力、読解力・表現力、文章構成力を評価するとしています。
採点の基準も一部が公開されています。基準点が60点で、「優」に入る上位約2%に20点以上、「良」の次の上位約2%に10点を加点し、4項目のいずれかが劣る場合は減点されると明記されています。2026年度の公式の出題意図では、終末期医療をめぐる生命の尊厳、医師の責務、患者への共感、社会の関わり、少子化の分析、論理的思考による問題解決への洞察といった問題が出されました。
したがって、小論文対策は医療用語を暗記することや、有名な倫理問題の模範解答を覚えることでは不十分です。文章を正確に読み、与えられた情報から論点を抽出し、自分の主張を組み立てる力が必要です。統計の読み取りも、共通テスト後に初めて触れるのではなく、普段から訓練しておくことが有効です。
後期|共通テスト300点+個別900点
後期は試験の性格が変わります。志願者数が募集53名の12倍にあたる636名を超える場合、共通テストの成績による第1段階選抜が実施される仕組みです。2026年度は1085名が志願し、第1段階選抜が実施されました。
最終合格者の判定では、共通テスト900点を3分の1の300点へ圧縮します。これに数学225点、理科450点、英語225点、合計900点の個別学力検査を加え、1200点で判定します。面接は配点に含まれず、適性が不十分な場合は不合格になり得ます。共通テストの結果で第1段階を通過しやすくても、最終判定では共通テストの影響は小さくなるため、英数理の記述力を高めた受験生が有利です。
後期の科目配分|理科450点が合否の中心
2027年度の要項では、後期の試験時間も公表されています。3月12日は理科が9時から12時までの180分、数学が13時から15時までの120分、英語が15時45分から17時30分までの105分です。3月13日は面接が行われます。理科は物理・化学・生物から2科目を選択します。
理科は450点で、個別900点の50%、総合1200点の37.5%を占めます。後期の合否は理科2科目の完成度で決まる部分が大きく、理科450点の負担は非常に重いといえます。理科2科目を180分で高水準に解き切ることが極めて重要です。
後期の出題傾向
2026年度の後期数学の公式の出題意図では、不等式を含む連立一次方程式、積分と面積、方程式の係数、線分の内分・外分、双曲線と直線の位置関係や集合の包含、連続関数の反復などが出題されました。大学自身が、単純計算だけでなく、深い考察や着想、目的の正確な把握、何を仮定して何を示すかという方針を立てる論理的思考力を問う出題意図を示しています。
奈良医大の後期数学の対策では、標準問題の解法を暗記するだけでは足りません。条件を少し変えたときに、その問題が何を示しているのかを言語化して演習に移ることが重要です。数学が225点で軽いわけではなく、理科450点の半分に相当する配点であるため、数学の解答時間を確保しつつ、理科2科目の完成度も両立させる必要があります。
前期・後期の合格者得点(2026年度)
2026年度前期は48名が志願し、34名が受験、23名が合格、22名が入学しました。合格者の合計得点は最高903点、最低835点、平均855.48点です。配点は共通テスト900点+小論文100点です。
2026年度後期は1085名が志願し、199名が受験、58名が合格、53名が入学しました。最終合格者の合計得点は最高975.33点、最低833.50点、平均875.46点です。
これらの数字は2026年度の結果であり、2027年度の合格最低点を予測するものではありません。共通テストの平均、受験者層、小論文の評価で変動します。前期は共通テスト900点と小論文の配分が大きいため、共通テスト後に小論文で大きく逆転するより、共通テストで十分な位置につけておくほうが現実的です。前年度の最低点を目標点として固定するのではなく、自分の合格最低点の見積もりを作り、何問解ければ合格できるかを確認してください。
面接|得点にしないが合否に影響
前期・後期ともに面接があります。配点はありませんが、大学が少人数で時間をかけて人物面を確認するために行うもので、必要に応じて再面接を行い、適性が不十分と判断された場合は学力の得点にかかわらず不合格になります。奈良医大の面接で重要なのは、大学名を変えるだけで通用するような志望理由に終わらせないことです。
医学部という限られた世界ではなく、奈良県立医科大学で何を学びたいのかを明確にし、医療倫理や地域医療について問われたときに、唯一の正解を答えるのではなく、患者・家族・医療者・社会など複数の立場を整理して考えられる姿勢が求められます。
現役・既卒の公式データ
2026年度の公式結果では、前期の実受験者のうち、現役相当の高校卒業見込者は15名で合格10名(約66.7%)、既卒者は19名で合格13名(約68.4%)でした。既卒者の合格割合がわずかに高い結果です。
後期は、卒業見込者が125名受験で39名合格(約31.2%)、既卒者が74名受験で19名合格(約25.7%)でした。後期では現役相当のほうが割合が高くなっています。
1年度の結果だけで「奈良医大は現役有利・浪人有利」と判断することはできません。受験者の学力構成は毎年変わり、前期と後期でも別の試験です。特に2026年度の公式データからは、「既卒が一律に不利」と単純化して示すことはできません。
高2・高3の戦略
高2の段階で、奈良医大の前期・後期の両方を見据えた判断が必要です。前期を狙うなら共通テスト全科目の完成度を早める必要があり、後期を視野に入れるなら英数理、とくに理科2科目を高水準で持つ必要があります。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高2 冬 | 英語・数学の基礎と理科の既習範囲を固める |
| 高3 春〜初夏 | 理科2科目の未習範囲を進め、記述演習を始める |
| 高3 夏以降 | 共通テスト対策と並行し、記述演習を継続 |
| 高3 秋 | 前期なら小論文の書く練習、後期なら理科・数学の記述完成 |
後期の対策は前期から切り替えるだけで始められるものではありません。「いつか後期で」ではなく、後期を視野に入れるなら早い段階から英数理の記述力、とくに理科2科目の完成度を高めておく必要があります。志望校が決まる前に、共通テスト型の得点と英数理の記述型の得点をそれぞれ把握しておくことが有効です。
ポイント|前期は共通テスト、後期は理科の完成度で決まる
- 2027年度は前期22名、後期53名
- 前期は共通テスト900+小論文100=1000点
- 前期の第1段階は共通テスト換算 約730点、約81%以上が基準
- 後期は共通テスト300+個別900=1200点
- 後期の個別は数学225・理科450・英語225
- 前期の小論文は医療分野の課題文と論理的思考・表現力が中心
- 前期・後期で同じ大学でも対策が別。現役・既卒のデータだけで有利不利を決めない
奈良医大は偏差値だけでなく、前期・後期の試験構造を理解して計画を作るべき大学です。志望順位を決める前に、自分の共通テスト型の得点と英数理の記述型の得点を別々に出しておくと判断しやすくなります。
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現論会で相談するときに持ってくるとよいもの
現論会で相談する場合も、次のものを持ってくると、前期・後期それぞれの計画を整理しやすくなります。
相談では、前期の共通テスト換算点と後期の英数理の再現得点を分けて整理し、どちらの日程を軸に準備するかを考えます。
よくある質問
奈良県立医科大学医学科の前期に数学の二次試験はありますか?
ありません。2027年度前期の個別試験等は小論文と面接で、学科の数学・理科・英語は実施されません。数学は共通テスト200点分です。
前期の共通テストは何%必要ですか?
第1段階選抜の基準として、大学指定の換算でおおむね730/900点、約81%以上が明記されています。最終合格最低点はこれより低いこともありますが、第1段階の基準を意識してください。
後期は共通テストが低いと逆転できませんか?
最終判定では共通テスト900点が300点に圧縮され、個別900点の比重が大きくなります。ただ第1段階選抜でも共通テストを使うため、共通テストを無視することはできません。
後期で最も重視される科目はどれですか?
個別学力検査では理科450点が最も大きく、数学225点・英語225点です。理科は2科目を選択します。
前期の小論文は医療知識が必要ですか?
大学は医療の分野に限定した分野から課題文を2題出すとしています。医療知識そのものより、論理的な読解、構想、表現、文章構成の総合力が問われます。
浪人生は不利ですか?
2026年度前期の実受験者の合格割合は卒業見込者約66.7%、既卒者約68.4%でした。後期は約31.2%と約25.7%です。1年度のデータだけで年齢の有利・不利は判断できません。
まとめ|奈良医大は前期と後期で別の試験として対策する
奈良県立医科大学医学部医学科の2027年度一般選抜は、前期22名、後期53名です。前期は共通テスト900点+小論文100点の1000点で、第1段階選抜は共通テスト換算で約730点、約81%以上が基準です。後期は共通テストを300点へ圧縮し、数学225点・理科450点・英語225点の個別900点を加えた1200点で判定します。前期は共通テスト、後期は英数理の記述力、とくに理科の完成度が合否を決めます。面接は点数化されませんが、適性が不十分な場合は不合格になります。同じ大学でも前期と後期では別の試験として対策してください。
- 2027年度は前期22名、後期53名
- 前期は共通テスト900+小論文100=1000点
- 前期の第1段階は共通テスト換算 約730点、約81%以上が基準
- 後期は共通テスト300+個別900=1200点
- 後期の個別は数学225・理科450・英語225
- 前期の小論文は医療分野の課題文と論理的思考・表現力が中心
- 面接は点数化されないが、適性が不十分な場合は不合格になり得る





