滋賀医大・奈良医大・和歌山医大【2027】
合格配点比較
関西の国公立医学部を志望するとき、滋賀医科大学、奈良県立医科大学、和歌山県立医科大学の3校を「難易度が近い医学部」として比較し、出願先を考える受験生は少なくありません。ただし3校は、入試の得点構造がまったく同じではありません。同じ「国公立医学部医学科」でも、共通テスト型の受験生と記述型の受験生で相性が変わります。
この記事は、2026年9月29日時点で公表されている2027年度入学者選抜要項をもとに、3校の配点、第1段階選抜、英数理の比重、面接、出願時の見方を比較します。大学の優劣を決める記事ではなく、「自分の得点の作り方に、どの選抜設計が合うか」を判断するための記事です。
なお、滋賀医科大学と和歌山県立医科大学は2027年度の詳細な一般選抜学生募集要項が今後公表される予定です。この記事は現在公表済みの入学者選抜要項に基づくため、実際の出願時には必ず最新版を確認してください。
情報確認日:2026年9月21日
※入試制度・日程・配点は大学公式の2027年度資料を優先して確認しています。参考書名、完成基準、月別計画は大学公式の指定ではなく、公開情報と過去問対策をもとにした編集部の学習提案です。
目次
結論|3校は同じ国公立医学部でも配点構造がはっきり違う
3校の配点を並べると、4つの型に分けることができます。滋賀医大前期は共通テスト650点+個別600点で、英数理が均等なバランス型です。奈良医大前期は共通テスト900点+小論文100点で、共通テストの完成度で勝負する型です。奈良医大後期は共通テスト300点+個別900点で、理科450点を中心にした英数理の記述型です。和歌山県立医大前期は共通テスト600点+個別700点で、英数理のバランス記述型です。
この違いを踏まえると、たとえば共通テストで高い得点を安定して取れる受験生は奈良医大前期との相性を確認する必要があります。逆に記述の理科が強い受験生は、奈良医大後期が有利に働くことがあります。後期は募集53名に対して志願者が非常に多く、共通テストの第1段階選抜もあります。
- 滋賀医大前期は共通テスト650点+個別600点。英数理が均等なバランス型
- 奈良医大前期は共通テスト900点+小論文100点。共通テストの完成度で勝負
- 奈良医大後期は共通テスト300点+個別900点。理科450点が中心の記述型
- 和歌山県立医大前期は共通テスト600点+個別700点。バランス記述型
- 第1段階選抜の条件も3校・4方式で異なる
- 面接は配点が小さくても、不合格の判断材料になり得る
4方式の配点早見表
まずは4つの方式を一枚の表で比較します。
| 大学・日程 | 共通テスト | 個別等・最終合計 |
|---|---|---|
| 滋賀医大 前期 | 650点 | 英数理600点(各200) → 合計1250点 |
| 奈良医大 前期 | 900点 | 小論文100点 → 合計1000点 |
| 奈良医大 後期 | 300点(900点を圧縮) | 英数理900点(数学225・理科450・英語225) → 合計1200点 |
| 和歌山県立医大 前期 | 600点 | 英数理700点(数学250・理科250・英語200) → 合計1300点 |
- 滋賀医大前期は英数理の個別配点が各200点で均等
- 奈良医大前期は個別の英数理がなく、共通テスト900+小論文100
- 奈良医大後期は理科450点が個別900点の半分を占める
- 和歌山県立医大前期は個別700点で、数学250・理科250・英語200
「得意科目」で合う方式が変わる
配点を見ると、得意科目によって有利な方式が見えてきます。
共通テストが安定して高い人
奈良医大前期は合計1000点のうち900点が共通テストです。共通テストの得点が直接的に合否へ影響するため、共通テストで高得点を取れる人は相性を確認する価値があります。小論文100点と面接の評価も加わります。
英数理をまんべんなく伸ばせる人
滋賀医大前期は個別の数学・理科・英語が200点ずつです。共通テストを含めても英数理が各300点相当となり、1科目の突出より3科目の理解度を評価する方式です。
理科の記述が強い人
奈良医大後期は理科450点が個別900点の半分を占めます。数学225点と見比べても理科の強い受験生が力を出しやすい構造です。ただし2026年度は53名募集に1085名が志願し、実受験199名、合格58名という結果で、志願者数と実受験者の差が大きく、第1段階選抜を超えるハードルもあります。
英数理の記述で取りたい人
和歌山県立医大前期は個別700点のうち数学250、理科250、英語200です。3科目の差が比較的小さく、合計配点でも数学350、理科400、英語350です。2026年度の公式数学は大問4題で、図形、放物線の距離、関数の反復、複素数平面が出題されました。特定分野の難問対策ではなく、主要分野をまんべんなく完成させ、条件整理から答案を書く力が必要です。
第1段階選抜の比較|共通テスト後の見方
国公立医学部では、志願者が多い場合に共通テストを使った第1段階選抜が行われます。この考え方も3校・4方式で異なります。
滋賀医大は、志願者が募集人員の約4倍を超え、個別試験の適切な実施が困難な場合に第1段階選抜を行うとしています。2026年度は273名が志願し、実際に第1段階選抜が実施されました。奈良医大前期は、共通テスト900点の換算でおおむね730点以上を基準とし、この基準を満たす者が募集22名の15倍を超える場合は、上位330名が第1段階合格者となる仕組みです。奈良医大後期は、志願者数が募集53名の12倍を超える場合、共通テストの成績で第1段階選抜を行います。12倍は636名です。和歌山県立医大一般枠は、原則として共通テスト900点換算で630点以上の者の中から、募集人員の3.4倍を第1段階合格者とします。基準は全国の共通テスト中間集計の平均点をもとにします。
このため、共通テスト後の出願では、大学公式の換算方法と第1段階の条件を同時に確認する必要があります。同じ自己採点でも、換算の方法と基準が違えば通過の可能性は変わります。
数学の比較|配点は違っても役割は同じ
滋賀医大の個別数学は200点です。英語・理科と同じ点なので、数学の失敗で戦略が崩れることはありますが、数学で突出する必要はありません。標準から発展問題の処理を安定させ、英語と理科で崩れない設計が重要になります。奈良医大前期は個別数学がなく、共通テストの数学200点がそのまま得点源です。奈良医大後期の個別数学は225点で、2026年度は不等式、積分、ベクトル、双曲線、反復関数を含む問題が出題されました。
和歌山県立医大の個別数学は250点で、3校・4方式の中で個別数学の点数が最も大きくなります。合計1300点で考えると数学350点相当、理科400点相当、英語350点相当です。数学が大学の象徴というわけではありませんが、科目の完成度が配点に忠実に表れます。
理科の比較|奈良後期450点が突出
理科の差は比較的大きい部分です。滋賀医大の個別理科は200点、和歌山県立医大は250点、奈良医大後期は450点です。奈良医大前期の個別に理科はなく、共通テストの理科300点が得点源です。
この数字から、奈良医大後期は理科2科目の完成度が合否への影響が大きいことが分かります。理科が得意だから後期の奈良を単純に選べるわけではなく、共通テストの第1段階を通る力があり、数学225点・英語225点を含む個別900点の3教科で取る試験でもあります。高2の段階で、大学別に理科を最適化するより、2科目を高3夏に演習可能な状態にしておくことを優先してください。高3で志望校を変えても、理科2科目の完成は同じ資産になります。
英語の比較|共通中心か記述中心か
滋賀医大の個別英語は200点、和歌山県立医大も個別英語200点、奈良医大後期は225点です。一方、奈良医大前期は個別英語がなく、共通テストの外国語200点を使います。高2の英語学習は、どの方式でも重要です。語彙、英文解釈、長文の情報処理は共通の基盤です。
そのうえで高3以降、共通テストの速度と選択肢処理を伸ばすのか、記述答案を書く深い力を作るのかを、志望方式に合わせて決めてください。奈良医大前期を第一志望にする場合でも、前期の出願が確定するのは共通テスト後です。後期や他大学のことも考え、英作文や記述は早い段階で完成に近づけておくのが得策です。
面接の比較|点数は小さくても無視できない
医学部の比較で面接の配点を見落とすのは危険です。滋賀医大は個人面接とグループワークを実施し、一定の基準に満たない場合は合点でも不合格になると明記されています。奈良医大も面接を実施し、医学生としての適性を判定します。要項上、得点に合計せず、結果によって不合格となる可能性があります。和歌山県立医大も共通テスト、個別、面接を合わせて選抜します。学力の得点を追うだけでなく、志望理由や医療への関心を直前に暗記する形は避けたいところです。
面接対策の共通の土台は、「なぜ医師を目指すのか」「なぜその大学なのか」「その大学で何を学びたいのか」「自分の経験をどう説明するか」です。大学別対策は、この共通の土台に、その大学の教育方針や地域医療・研究の特徴を接ぎ木します。
2026年度の倍率から見る注意点
2026年度の一般前期は、滋賀医大が60名募集に対して273名が志願し、238名が受験、61名が合格、志望倍率は4.6倍でした。奈良医大前期は22名募集に対して48名が志願し、34名が受験、23名が合格です。奈良医大後期は53名募集に対して1085名が志願し、199名が受験、58名が合格でした。和歌山県立医大は一般・地域医療を合わせた前期で、公式結果に現役・既卒別の人数が掲載されています。
単純に「倍率の低い順が受験順」ではありません。前期・後期、募集人員、第1段階選抜、前期合格後の欠席など複数の要因が重なります。志望倍率は「志願者÷募集人員」、実質倍率は「受験者÷合格者」であり、どちらを使うかを明示して読み解く必要があります。
高2・高3の志望校比較
高2のうちに、3校のいずれか1つに絞る必要はありません。英数理2科目と理科2科目、共通テストの基礎を固め、高3で選択肢を残す進め方が合理的です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高2 冬 | 3校を比較する換算表を作る。共通テスト模試と記述模試を、滋賀前期・奈良前期・奈良後期・和歌山前期の配点に当てはめる |
| 高3 春 | 英数理の土台を固め、理科2科目を並行して進める |
| 高3 夏 | 共通テスト対策と記述演習を同時進行。志望方式の弱点を確認する |
| 高3 秋 | 過去問で志望方式の得点を作る。共通テスト後の出願先を準備する |
共通テスト後は、各大学の公式換算点を出し、第1段階選抜の条件を確認し、個別の再現得点で出願先を決めます。模試の偏差値だけで3校を比較すると、配点の違いを見落とします。
ポイント|志望校は「配点の型」で選ぶ
- 滋賀医大前期:共通テスト650+個別600、英数理各200の均等型
- 奈良医大前期:共通テスト900+小論文100、共通テスト重視型
- 奈良医大後期:共通テスト300+個別900、理科450点の記述型
- 和歌山県立医大前期:共通テスト600+個別700、英数理のバランス記述型
- 第1段階選抜の基準や倍率の見方も大学で異なる
- 高2では志望校を1校に絞らず、4方式に対応できる英数理と共通テストの土台を作る
- 共通テスト後は各大学の公式配点に自分の得点を換算して出願判断する
3校を比較するときに最も大切なのは、大学を一列に並べることではありません。自分の得点構造の中に4つの仮の得点を作り入れ、失点と取り返しを見ることです。その比較が、志望校ごとの勉強の優先順位を決めてくれます。
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この記事は「滋賀医科大学の配点と対策」「奈良県立医科大学の前期・後期対策」「和歌山県立医科大学の数学対策」といった記事とあわせて読むと、各校の詳細がつかめます。
現論会で相談するときに持ってくるとよいもの
現論会で相談する場合も、次のものを持ってくると、3校の比較を整理しやすくなります。
相談では、3校の配点に自分の得点を当てはめ、「どの方式の対策を軸にするか」を一緒に整理します。
よくある質問
滋賀医大・奈良医大・和歌山医大で共通テストの比率が高いのはどこですか?
最終得点に占める共通テストの割合では、奈良医大前期の900/1000が最も大きい構造です。滋賀医大650/1250、和歌山県立医大600/1300、奈良医大後期は最終300/1200です。小論文・面接・第1段階選抜も含めて判断してください。
数学が得意なのはどの大学ですか?
数学がものを言う大学として、滋賀は個別200、奈良後期は225、和歌山は250です。理科・英語との共通の配点も大きいため、各方式で自分の得点を換算して比較してください。
奈良医大前期に二次の数学対策は必要ですか?
前期は個別の英数理がありません。ただし出願が確定する前に他大学や奈良後期の可能性もあるため、高2〜高3前半に記述数学を狭くするのは避けたほうがよいでしょう。
和歌山県立医大の数学は3校の中で一番難しいですか?
大学公式は科目の難易度の順位を示していません。難・易を断定せず、2026年度の公式問題を解いて、自分の得点と時間を把握することが有効です。
奈良医大後期は理科が得意なら有利ですか?
理科450点は大きな配点です。数学225点・英語225点、共通テストの第1段階選抜、面接もあります。理科の強さが構造上働きやすいというだけで、有利・不利を断定はできません。
高2で志望校を1校に決めるべきですか?
その必要はありません。英数理2科目と共通テストの基礎を作り、模試で大学別の配点換算をして、志望変更に対応できるようにするのが効率的です。
まとめ|3校は配点の型で選ぶ
滋賀医科大学・奈良県立医科大学・和歌山県立医科大学は、同じ国公立医学部でも配点構造がはっきり違います。滋賀医大前期は共通テスト650+個別600で英数理が均等なバランス型、奈良医大前期は共通テスト900+小論文100の共通重視型、奈良医大後期は共通テスト300+個別900で理科450点が中心の記述型、和歌山県立医大前期は共通テスト600+個別700のバランス記述型です。第1段階選抜の基準や倍率の見方も異なります。高2では志望校を絞らず、4方式に対応できる英数理と共通テストの土台を作り、共通テスト後に各校の公式配点へ自分の得点を換算して出願判断してください。
- 滋賀医大前期:共通テスト650+個別600、英数理各200の均等型
- 奈良医大前期:共通テスト900+小論文100の共通重視型
- 奈良医大後期:共通テスト300+個別900、理科450点の記述型
- 和歌山県立医大前期:共通テスト600+個別700のバランス記述型
- 第1段階選抜の基準や倍率の見方も大学で異なる
- 高2では志望校を絞らず、英数理と共通テストの土台を作る
- 共通テスト後は各校の公式配点に自分の得点を換算して出願判断する





