同志社英語の指示語問題|this・thatの指す内容を特定

同志社英語の指示語問題|this・thatの指す内容を特定

英文の単語は読めているのに、設問で「このthisは何を指すか」と聞かれると答えられない。内容一致問題で最後の二択まで絞れない。そんな場合、課題は語彙ではなく、段落の前後をつなぐ論理の追い方かもしれません。

this、that、these、those、such、itは短い語ですが、長文では「前の一語」を指すとは限りません。前の文全体、筆者が示した因果関係、実験の結果、反対意見そのものをまとめて受けることがあります。特に学術的な文章では、指示語が何を指すかを理解しないまま次へ進むと、段落の結論を読み違えます。

この記事では同志社大学を意識した読解トレーニングを行います。ただし英文・設問・選択肢はすべて本記事で作成したオリジナル教材で、大学の実際の問題文ではありません。試験形式は各年度の大学公式資料と過去問で照合してください。

目次

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結論:指示語は「一番近い名詞」ではなく「意味が戻る場所」で決める

指示語を見つけたら、まず直前の一文を読み直し、そこにある名詞、動作、判断の三種類を候補として挙げます。次に指示語を候補の内容へ置き換え、文全体の意味が自然につながるかを確認します。最後に、指示語の後ろの文が説明、結果、反論、対比のどの役割かを見れば、誤った候補を消しやすくなります。

例えば「Many students memorize definitions. However, they cannot apply the concepts to unfamiliar problems. This is a serious limitation.」という三文を考えます。thisが指すのはdefinitionsという単語だけではありません。「定義を暗記していても未知の問題へ応用できないこと」が問題だと筆者は述べています。指示語を一語だけへ戻してしまうと、「定義そのものが深刻な欠点」という誤読になります。

なぜ「直前に戻る」だけでは足りないのか

英文読解の初歩では「指示語が出たら前を読む」と教わることが多いでしょう。この教えは出発点として正しいものの、どこまで戻るかが説明されないと不十分です。直前には具体例が二つ並び、その前にそれらをまとめた主張があることもあります。さらに直前の名詞が単数でも、指示語thatが受けるのは名詞でなく出来事かもしれません。

指示語の役割は、同じ長い内容の繰り返しを避けながら、新しい情報を足すことです。筆者は「既知の話題」をthatやthisで受け、「ここから自分が述べたい評価」をその後へ置く場合があります。したがって指示語の位置を確認することは、文章の重要部分を見つけることにもつながります。

ケース1:thisが一文全体を受ける

オリジナル英文を読みます。「The survey asked only students who attended voluntary workshops. The results therefore exclude students who rarely participate in school activities. This makes it difficult to generalize the findings.」

最後のthisはstudentsだけでもresultsだけでもありません。調査が自主参加者へ偏り、参加しない生徒が除外されるという「標本の偏り」を受けています。このまま訳すなら「このことが、調査結果を一般化するのを難しくしている」です。thisの前へ「標本に偏りがあること」を代入すれば、なぜ一般化できないのかが説明できます。

選択問題で「調査の対象者が限定されていること」「調査結果がすべて誤っていること」「自主参加者の成績が高かったこと」という三択なら、正しいのは一つ目です。二つ目は断定し過ぎ、三つ目は文章に存在しません。指示語を解くと同時に、選択肢の「過剰な断定」と「情報の追加」も見抜けます。

ケース2:suchが性質を受ける

「Several schools introduced short weekly quizzes and provided immediate feedback. Such practices can help students notice gaps in their understanding.」では、such practicesは「毎週短い小テストを行い、すぐにフィードバックする実践」を受けます。直前のschoolsだけではありません。practicesが行動を意味する名詞なので、前文の動作から対応するものを探します。

such+名詞は指示語が後ろの名詞の種類を指定する点で、this単独と違います。such a problemなら「前に説明された種類の問題」、such evidenceなら「そのような証拠」です。名詞の性質を見ることが候補の絞り込みに役立ちます。

ケース3:thatとthoseで同じ語の反復を避ける

「The average score in Group A was higher than that in Group B.」のthatは平均点the average scoreを受けます。ここでは出来事全体ではなく、比較される名詞句を置き換えています。that in Group Bはthe average score in Group Bです。もしthatをGroup Aと読めば、比較しているものが点数ではなく集団になります。

複数ならthoseが使われます。「The needs of beginners differ from those of advanced learners.」ではthose=the needsです。「初心者の必要とするものは、上級者の必要とするものとは異なる」。この構文は比較の左右が同じ品詞・概念でなければならないことを使って解きます。

ケース4:itは前出の名詞なのか、形式主語なのか

「The method was simple, but it required careful preparation.」ならit=the methodです。一方「It is important to distinguish correlation from causation.」では、itは仮の主語として働き、実質的な内容はto distinguish以下です。さらに「It was only after the second experiment that the researchers changed their conclusion.」は強調構文です。

この三つを一律に「itは前の名詞を指す」と扱うと、答えのない場所を探し続けることになります。まずitの文法的役割を判断してください。itが具体物を指すなら前方照応の候補を探し、形式主語ならto不定詞やthat節、強調構文なら強調される要素を探します。

ケース5:段落をまたいで指示する場合

次の段落を考えます。「A new teaching method increased quiz scores during a four-week trial. Students also reported that they enjoyed the lessons. However, the researchers did not examine whether the improvement lasted.」段落が替わり「This uncertainty matters when deciding whether to adopt the method nationwide.」と続くとします。

this uncertaintyは何でしょうか。「授業が楽しかったこと」でも「点数が上昇したこと」でもなく、「改善が長く続くかどうか調べられていないこと」です。uncertainty(不確実性)という後続名詞が候補を絞ります。答えを直前の段落から探す際は、最後の一文にある未知・例外・問題提起へ特に注目しましょう。

段落の境目で指示語が使われるとき、前の段落が具体例で終わり、次が評価・課題へ移る構造が見られます。つまり一語の指示先を特定するだけではなく、段落間の役割を読み取る訓練にもなります。

ケース6:thisとthatの距離感だけで正誤を決めない

一般にthisは話し手に近いもの、thatは遠いものを示します。しかし長文で「thisだから直前、thatだから二文前」と機械的に距離を割り当てるのは危険です。書き手の視点や対比関係で使い分けられ、thatが直前の内容を受けることもあります。

必要なのは談話上の機能です。例えば「Some people assume that technology always saves time. That assumption ignores the effort required to learn new systems.」のthat assumptionは直前の「技術は必ず時間を節約する」という主張を受けます。「that=遠い」と覚えて戻り過ぎると、意味が合いません。後ろの名詞assumptionが「誰かの考え」を求めることに注目します。

オリジナル練習A:選択肢の範囲を比べる

英文:「A school introduced an online platform to reduce paperwork. Teachers initially spent less time filing documents, but many later reported spending extra hours learning unfamiliar tools. This unexpected cost was not included in the original plan.」

問い:This unexpected costは何か。選択肢は、①オンライン機器の購入費、②新しいツールの習得に必要となった時間、③書類を保管するための費用、④教師の人件費が公式に増額されたこと、です。

正解は②です。costは必ずしも金銭だけではなく、時間や負担も意味します。①は文章に現れず、③は減らしたかった作業、④は「給与を増やした」という事実が追加されています。語彙の意味を知っているだけではなく、抽象名詞costがどの負担をまとめているかを見ます。

オリジナル練習B:that ofとthose ofを判定する

英文:「The number of books borrowed in April was twice that of March, whereas the numbers recorded in smaller schools were similar to those of the previous year.」

that of Marchが受けるのはthe number of books borrowedです。those of the previous yearが受けるのはthe numbers recorded in smaller schoolsです。thatとthoseは名詞句の単複と対応しています。問題が難しく見えるのは比較対象が遠くなるためで、実際の作業は単純です。比べている数値・対象・期間を書き出してください。この例では「4月の冊数」と「3月の冊数」、および「小規模校で記録された数値」と「前年の数値」が比較されています。「4月は3月の二倍」という文言だけを拾って全部の学校で二倍だったと解釈すると、後半の対比を失います。

オリジナル練習C:指示語が示す理由を説明する

英文:「Researchers compared two study groups. Both studied the same material for the same amount of time, but one group reviewed their mistakes immediately after each quiz. That group performed better on a later test. This suggests that the timing of feedback may matter.」

最後のthisは何を受けるでしょうか。「誤答をすぐに見直したグループの方が後のテストでよい成績を示したこと」が適切です。この文はfeedbackの効果を断定せず、may matterと可能性を述べています。そこまで含めて理解すると、「即時フィードバックが全員の成績を必ず上げる」とする選択肢が誤りだと判断できます。

また、同じ時間だけ勉強したという条件が重要です。もしここがなければ学習時間の違いが結果に影響した可能性を排除しにくくなります。指示語の追跡は、因果関係の吟味までつながる技術です。

四行メモで解答の根拠を見える化する

過去問演習では、難しかった指示語ごとに次の情報をまとめます。「指示語そのもの」「候補として戻った部分」「採用・棄却の理由」「文章全体での役割」です。例えばthis limitationなら「制限=参加者が一部の生徒に偏ったこと/結果の一般化を難しくする/制約の提示」と書きます。

一問の復習に長時間かけるよりも、間違えた箇所の前後三文を使い、選択肢を自分で作る練習を行うと理解が深まります。正解として「本文通り」を一つ、誤答として「断定し過ぎ」「反対の意味」「主語の取り違え」を一つずつ作ると、出題者が何を確認したいかを推測できます。

読む速度との関係:戻り読みを減らす訓練

「指示語のたびに前へ戻ると遅くなるのでは」と心配する人がいます。しかし、指示先を確認せず進み、段落末で全体が分からなくなって長く戻る方が時間を失うこともあります。初期練習では一つずつ丁寧に確定し、慣れてきたら段落内の要約を頭の中で持ちながら読み進めます。

指示語に気づいた瞬間、「先ほど述べた問題点」「直前の比較結果」という短いラベルをつけておく方法が有効です。すべてを日本語へ訳し直す必要はありません。大切なのは、その語がつなぐ情報がどの種類かを見失わないことです。

指示語問題と内容一致問題は一緒に復習する

同志社英語の長文対策では、単独の指示語問題だけに限定せず、内容一致の根拠を探す練習へ接続することが有効です。内容一致では正解選択肢が本文の語をそのまま繰り返すとは限りません。this challengeが「現状の困難」を受け、選択肢ではthe difficulty of maintaining...と言い換えられることがあります。もし本文と選択肢で名詞が違っても、指示先とその性質が合えば同義になる可能性があります。逆に同じ語が入っていても、指示先を別の対象にすり替えた選択肢は不正解です。「同じ単語が見つかったから正解」という判断を避けられるようになります。

高2が取り組む一週間の練習

月曜は、学校教材からthis・thatが含まれる短文を五つ集め、名詞を指す例と出来事全体を受ける例を分けます。火曜はitが代名詞か形式主語か強調構文かを十例で判定します。水曜は比較のthat/thoseを重点的に演習します。木曜は段落間のthisを扱い、前の段落を二十字程度の日本語にまとめます。

金曜は内容一致問題と結び付け、指示語を含む文から選択肢を自作します。土曜は初見長文で指示先を確認する時間を測り、日曜は一週間前に間違えた問題だけを解き直します。学習時間は各二十分程度からでも構いません。目標は指示語を全部訳すことではなく、指示された内容を自然な日本語で説明できることです。

よくある質問

thisは前の一文、thatは二文前を指すの?

そのような固定規則はありません。距離だけでなく、後続名詞や談話の意味を確認してください。

指示語の答えは必ず本文の一か所から抜き出せる?

必ずしも一つの連続した語句とは限りません。前文全体や複数文の内容をまとめる場合があります。設問が「抜き出し」なのか「説明」なのかも区別しましょう。

英語の長文で指示語問題だけ練習してもよい?

弱点補強として有効ですが、最終的には段落構造、筆者の主張、具体例との関係まで含めて練習する方が応用できます。

同志社英語の公式解答例はある?

同志社大学は科目別講評や出題の意図を公表していますが、同ページでは解答または解答例を公表していない旨を案内しています。本文の正確な出題は年度ごとの公表資料や正規の過去問題集で確認してください。

まとめ

指示語は小さな語ですが、筆者がすでに示した情報と、これから示す結論をつなぎます。直前の名詞に飛びつかず、「何という種類の情報を受けるのか」「置き換えて意味が通るか」「後ろの文がどんな評価をしているか」を確かめてください。これができると指示語問題だけでなく、内容一致や長文全体の理解も安定してきます。

参照:同志社大学「一般選抜入学試験・科目別講評」 https://www.doshisha.ac.jp/admissions_undergrad/general_application/index.html

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指示語問題は内容一致や和訳の土台にもなります。関連記事で長文読解の対策をそろえておきましょう。

現論会で相談するときに持ってくるとよいもの

現論会で相談する場合も、次のものを持ってくると、指示語のつまずきを具体的に確認できます。

1.志望学部と入試方式のメモ
2.直近の長文問題の得点記録
3.指示語で迷った本文と設問
4.内容一致の誤答メモ
5.使っている長文教材
6.1週間に使える学習時間

相談では、指示語の候補をどこまで戻っているかを確認し、段落構造の読み取りを次に練習する項目として決めます。

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