高2で志望校が決まらない
秋に大学・学部を絞る7ステップ
高2の夏が終わっても、志望校が決まっていない。オープンキャンパスには行ったけれど、「雰囲気がよかった」以上の決め手がない。
- 関関同立に行きたいが、同志社・立命館・関学・関大のどこを第一志望にするか決められない
- 国公立にも興味があるが、共通テストの科目数を考えると私立専願の方がよい気もする
- 秋以降も「高3になってから決めればいい」と先延ばしにしていないか
このように迷っている高2生は珍しくありません。ただし、秋以降も何も決めないまま進むと、英語・数学・国語・理社のどこへ時間を使うか決めにくくなります。
志望校は人生を一度で確定するために決めるのではなく、今の勉強の優先順位を決めるために、まず仮置きすると考えるのがおすすめです。
目次
結論|高2の秋は「第一志望1校」より「候補3校+学部+科目」を決める
高2の秋に必要なのは、第一志望を無理に1校へ固定することではありません。大学・学部・入試科目まで含めた候補を3つ作り、冬までに比較できる状態にすることです。
志望校を決める順番は、次の7ステップです。
- 1夏に見た大学を「良かった理由」で振り返る
- 2大学名ではなく学部・学科で比較する
- 3入試科目と配点を確認する
- 4模試成績を科目別に照らす
- 5通学・学費・キャンパスを家族と確認する
- 6挑戦校・実力相応校・安全校の候補を作る
- 711〜12月までに「今の第一志望」を仮決定する
ここまで決めれば、志望校が最終確定していなくても、受験勉強は具体化できます。
なぜ高2の秋に志望校を考えるのか
理由1|必要な受験科目が変わるから
志望校が決まらない最大の問題は、大学名が空欄になることではありません。何を勉強すべきか決められないことです。たとえば、同じ文系でも次のように異なります。
| 志望タイプ | 高2秋から意識したいこと |
|---|---|
| 国公立文系 | 英数国+理社+情報まで共通テストを見据える |
| 私立文系・関関同立 | 英語・国語・選択科目を中心に学部別方式を確認 |
| 私立文系・数学利用 | 数学を残すことで受験方式が広がる大学を確認 |
| 国公立理系 | 数学・英語に加え理科2科目の進度を逆算 |
| 私立理系 | 数学・英語・理科の配点と方式を比較 |
「とりあえず英語を頑張る」は間違いではありません。しかし、国公立志望なのに数学や理社を長期間止める、私立専願なのに使わない科目へ時間をかけすぎる、といったズレは高3で修正コストが大きくなります。
理由2|夏のオープンキャンパスの記憶が残っているから
夏に大学を見た後こそ、「楽しかった」で終わらせず、受験判断へつなげるタイミングです。次の5項目を、行った大学ごとに5点満点で評価してください。
- 学びたい授業・ゼミがあるか
- キャンパスの雰囲気が合うか
- 通学を4年間続けられるか
- 就職・資格・留学など卒業後の選択肢が合うか
- 入試科目が自分の得意科目と合うか
「建物がきれいだった」「学生が楽しそうだった」も大切ですが、それだけでは受験勉強の優先順位は決まりません。
理由3|秋から冬に塾・講習を選ぶときの基準になるから
高2の冬に塾や冬期講習を検討するとき、志望校が曖昧だと「英語を受ける」「数学を受ける」という科目単位の判断しかできません。一方、志望校候補があると、
- 同志社を目指すなら英語の読解をどこまで進めるか
- 大阪公立大を残すなら数学をどこまで維持するか
- 関関同立で数学利用を考えるなら何を仕上げるか
というように、講習や塾の必要性を目的から判断できます。
ステップ1|夏に見た大学を「良かった理由」で振り返る
オープンキャンパスへ行った大学を、単に順位付けする必要はありません。まず「なぜ良かったのか」を言葉にします。
| 大学 | 良かった点 | 気になった点 | もう一度確認したいこと |
|---|---|---|---|
| A大学 | 学部の授業が面白そう | 通学時間が長い | 1限の開始時間 |
| B大学 | キャンパスと学生の雰囲気 | 学部がまだ曖昧 | 学科ごとの授業 |
| C大学 | 入試科目が得意科目と合う | 第一志望にする決め手不足 | 就職先・資格 |
行っていない大学も、大学公式サイト・学部パンフレット・オンライン説明会で同じ項目を埋めます。
オープンキャンパスに行けなかった大学は候補から外す?
外す必要はありません。高2の秋以降にも大学祭、進学相談会、キャンパス見学などの機会があります。重要なのは「夏に行ったか」ではなく、出願までに必要な情報を確認できるかです。オープンキャンパスの回り方については「オープンキャンパスは何時間?」も参考にしてください。
ステップ2|大学名より先に「学部で何を学ぶか」を見る
「同志社に行きたい」「神戸大学に行きたい」という大学名からの志望は自然です。しかし、4年間所属するのは学部・学科です。最低限、各候補について次の4点を確認します。
- 1年次に学ぶ必修科目
- 2〜4年次のコース・ゼミ
- 卒業後に多い進路
- 自分が興味を持てるテーマが2つ以上あるか
学部が決まらないときの考え方
「将来やりたい仕事がないから学部も決められない」という人は、職業から逆算しなくても構いません。「高校科目+気になるテーマ」から候補を作ります。
| 興味・テーマ | 候補になる学部 |
|---|---|
| 社会や企業の仕組みに興味 | 経済・経営・商 |
| 法律や制度、社会課題 | 法・政策 |
| 人の心理や社会行動 | 心理・社会 |
| 言語・文化・海外 | 文・外国語・国際 |
| 数学・物理を使いたい | 理・工・情報 |
| 生物・化学を使いたい | 生命・農・薬・医療系 |
ステップ3|入試科目と配点を確認する
志望校選びで、偏差値だけを見てはいけません。同じ大学・同じ学部でも、3教科型、数学利用、共通テスト利用、英語資格利用、学部個別日程、全学部日程など方式が分かれます。
高2の時点で作る「科目表」は次のような形です。
| 候補 | 英語 | 数学 | 国語 | 理社 | 共テ | 外部検定 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1候補 | 必須 | 選択 | 必須 | 1科目 | 方式による | 利用可否確認 |
| 第2候補 | 必須 | 必須 | 必須 | 必須 | 必要 | ― |
| 第3候補 | 必須 | 不要 | 必須 | 1科目 | 利用可 | 利用可 |
この表を作ると、「数学を捨ててよいか」「英検をいつまで続けるか」「理科をどこまで先取りするか」が見えます。
ステップ4|模試は判定ではなく「科目の相性」で見る
高2の模試でE判定でも、その1回だけで志望校を外す必要はありません。見るべきは、
- 英語と数学の偏差値差
- 未習範囲を除いた得点
- 志望学部で配点が高い科目
- 前回から伸びている科目
- 何を直せば次回得点が上がるか
たとえば、英語偏差値60・数学48の受験生が、数学配点の高い国公立を目指す場合と、英語配点の高い私立文系を目指す場合では、同じ総合偏差値でも課題が違います。
判定を使うルール
A〜C判定
安全とは考えず、弱点科目を確認
D〜E判定
即変更ではなく、差の原因と残り期間を確認
2〜3回の推移
同じ弱点が続いているかを見る
「E判定だからやめる」ではなく、「E判定の原因が、高2冬までに直せるものか」を見ます。判定の見方の詳細は「高2模試でE判定はやばい?」を参考にしてください。
ステップ5|通学・学費・生活を保護者と確認する
本人が大学選びで見落としやすいのが、4年間の生活です。家族で確認する項目は次の通りです。
- 自宅からの片道通学時間
- 交通費
- 一人暮らしの可能性
- 学費と初年度納入金
- 留学・資格・実習に追加費用があるか
- 奨学金や支援制度
- 私立何校まで併願できるか
高3の出願直前に初めて費用の話をすると、本人が「受けられると思っていた大学を受けられない」と感じることがあります。高2秋なら、まだ候補を広げたり、奨学金を調べたりできます。
ステップ6|「挑戦・現実・安全」の3階層を作る
高2秋の候補は、1校に絞るより3階層にします。
挑戦校
今の成績より高いが、本気で目指したい
実力相応校
現時点の模試で合格圏が見え始めている
安全校候補
学びたい内容があり、入試方式も合う
重要なのは、安全校を「行きたくない大学」にしないことです。高2の段階では大学群レベルでもよいので、各階層から1〜2候補を作りましょう。
ステップ7|11〜12月までに「今の第一志望」を仮決定する
第一志望は変更しても構いません。高2の秋に仮決定する目的は、高2冬に何を終えるか、新高3の1〜3月にどの教材へ進むか、春の模試で何を測るか、塾・冬期講習が必要か、を決めるためです。
仮決定できた状態の例
- 第一志望:同志社大学○○学部
- 第二志望群:関西学院大学・立命館大学の○○系学部
- 入試科目:英語・国語・日本史中心
- 高2冬まで:英単語、英文法、英文解釈、古文文法、日本史通史○○まで
ここまで具体化できれば、志望校は十分に学習計画として機能します。冬までの科目別の進め方は「高2の2学期にやるべきこと」を参考にしてください。
志望校が決まらないタイプ別の対処法
「やりたいことがない」タイプ
職業ではなく、大学で学びたくない分野を消去し、残った学部から授業内容を見ます。完全な夢より、4年間学べそうなテーマを探します。
「大学が多すぎる」タイプ
地域、通学時間、国公立・私立、文理、受験科目の5条件で絞ります。偏差値一覧だけで100校を見る必要はありません。
「成績が足りないから決められない」タイプ
高2秋の成績だけで志望校を決めないでください。現在の差を科目別に分解し、高3春までにどこまで埋められるかを計画します。
「親と意見が違う」タイプ
大学名の議論から始めず、学費、通学、学び、入試科目、卒業後の5項目で比較します。意見ではなく条件表にすると話しやすくなります。
秋の三者面談前に用意する1枚
学校によって面談時期は異なりますが、秋以降の進路面談で使えるよう、次の1枚を作ってください。
| 項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 第一志望候補 | 大学・学部 |
| 第二候補 | 大学・学部 |
| 第三候補 | 大学・学部 |
| 入試科目 | 必須・選択・共テ |
| 模試の強み | 科目・単元 |
| 最大の課題 | 科目・単元 |
| 高2冬の目標 | 教材・到達状態 |
| 面談で聞くこと | 学校推薦、選択科目、講習など |
この1枚があれば、面談が「どうする?」だけで終わらず、具体的な相談になります。
保護者ができること
志望校が決まらない高2生へ、「早く決めなさい」と大学名を迫るより、比較材料を一緒に集める方が進みやすくなります。保護者から聞くなら、
- どの授業が面白そうだった?
- 通うならどのキャンパスが現実的?
- 数学を受験で残したい?
- 国公立と私立、どちらの勉強が今の自分に合いそう?
- 次に見たい大学はどこ?
のような質問がおすすめです。
志望校を決めた後に必ずすること
志望校を決めること自体がゴールではありません。次の24時間以内に、入試科目を確認、高2冬までの科目別目標を決める、週間学習時間へ落とす、次の模試で見る指標を決める、まで進めましょう。
志望校を決めても勉強内容が変わらないなら、受験戦略としてはまだ完成していません。
よくある質問
高2で志望校が決まっていないのは遅いですか?
高2秋の時点で最終決定していなくても問題ありません。ただし、受験科目と冬までの勉強を決めるため、大学・学部まで含む候補を3つ程度作ることをおすすめします。
偏差値で志望校を決めてもいいですか?
偏差値は候補を整理する一つの材料ですが、それだけで決めない方がよいでしょう。学び、入試科目、配点、通学、費用も確認します。
オープンキャンパスに行っていない大学を志望してもいいですか?
問題ありません。大学公式サイト、学部パンフレット、相談会、キャンパス見学などで必要な情報を集めてください。
第一志望はいつまでに決めるべきですか?
学校や受験方式で異なります。本記事では、高2の11〜12月までに「現時点の第一志望」を仮決定し、新高3の学習計画へつなげることを推奨します。
文系・理系は決まっているのに学部が決まりません
高校科目と興味テーマを組み合わせて2〜3分野へ絞り、各学部の授業・ゼミを比較してください。大学名より学部内容を先に見ると判断しやすくなります。
親と志望校の意見が合いません
大学名の好き嫌いではなく、学費・通学・学び・入試科目・卒業後の5項目を同じ表で比較しましょう。第三者を交えて整理する方法もあります。
塾で志望校相談だけしてもいいですか?
相談内容は塾ごとに異なります。現論会大阪梅田校・四条烏丸校では、現在の模試・受験科目・生活時間を確認し、志望校候補と学習優先順位を整理する相談も行っています。
まとめ|志望校は「勉強を決めるための仮説」と考える
高2の秋に志望校が決まらなくても、焦って1校へ固定する必要はありません。ポイントは次の通りです。
- 夏に見た大学を、良かった理由まで言語化する
- 大学名だけでなく学部・学科を比較する
- 入試科目・配点を一覧にする
- 模試は判定より科目別の差を見る
- 通学・学費を家族と確認する
- 挑戦・実力相応・安全の3階層で候補を作る
- 11〜12月までに「今の第一志望」を仮決定する
- 決めた後は24時間以内に冬までの学習計画へ落とす
志望校を決める目的は、名前を書くことではなく、明日からの勉強の優先順位を決めることです。





